シェイクスピア ソネット
わが詩神の舌は金しばり、つつましく沈黙しているが、
一方では、きみを称える文章が、修辞もはなやかに、
詩の女神ら総がかりで彫琢した奇妙な言葉をつらね、
黄金の筆をもって、つぎつぎに書きつづられてゆく。
ほかの詩人らは結構な言葉を書くが、私は良い思いをいだくだけ、
才人が洗練された筆をふるい、形をととのえ、磨きあげて、
きみにささげる賛美の歌のひとつひとつにも、
無学な教会書記よろしくアーメンと叫びつづけるだけだ。
きみがほめられるのを聞けば「さよう、まことに然り」と言って、
称讃の頂点に、また、何ほどかの称讃を加えてはみるが、
それは心のなかでのできごと。つまり、言葉では遅れをとっても、
心のなかでは、きみへの愛は先頭切っているのだ。
だから、他人には雄弁のゆえに目をかけてやりたまえ。
そして私には、喋っているのも同じ沈黙ゆえに。
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