シィカの言葉の宝石箱

大阪在住の女子大生。俳句や短歌などの詩歌が好きです。楽天ブックス「シィカのちょっと濡れる歌集」2021.5発売

穂村弘

手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ) (小学館文庫)

オーロラをみながら苔をたべましょう MとHがここにいること

アーカンサス十字唐草 真空に張り裂けながら歌うカナリア

のぞきこむだけで誰もが引き返すまみの心のみずうみのこと

広瀬ちえみ 3


さくらひとひら布団の中についてくる

ほのぼのと春の剥き身になっており

広瀬ちえみ集 (セレクション柳人 (14))

酒本郁也 6

掛け上がりパセリの種を蒔いていた

姉さんの歳を追い越しねじり梅

じゅうり山のみかん

広瀬ちえみ 2

広瀬ちえみ集 (セレクション柳人 (14))

四十歳の雨が静かに降っている

浮き袋の空気漏れているようだ

夢の世のペンペン草で楽しむわ


広瀬ちえみ 1

水たまり残してひとがいなくなる

いなくなった猫をいまでも飼っている

こんなにも重い鞄を持っていた男

広瀬ちえみ集 (セレクション柳人 (14))

じゅうり山のみかん